七福神巡り

商工会主催の七福神巡りに参加した。

三郷市には24のお寺が存在する。それらを三つに分け、毎年順番にエリア内のお寺を参拝してまわる企画である。

 

三郷団地に住む私には、正月に参拝する神社やお寺がない。以前は大宮の氷川神社に行っていたが、少し遠いので自然と足を運ばなくなった。

 

昨年の終わりと今年のスタートという気持ちの入れ替えには、このような行いに参加するのが良い。夜は、地元の寿司屋で参加者の方々と交流会である。

 

今年は早稲田コースで、JR三郷駅の北側のお寺を巡ることになった。

 

屋根の納まり、曲線材の使い方、手すり部材の納まり、装飾金物の使い方、などに自然と目がいく。早稲田地区は新しい建て売り住宅が多いので、それらと見比べてみると、そうした一つ一つの選択の組合せが、建物の存在感を作っているのが分かる。

 

古い建物に使われている建材は、細い材か小さなパーツがほとんどである。だから、部材数がとても多い。それにもかかわらず、昔の人は、その一つ一つの部材の加工・取り付けに、明確な意志を持って行ったように見える。時には、合理的に、時には美しさの表現として、時には、両方同時に。

 

合板やサイディングのような大きな面材を作る技術は最近のものだ。私が型枠大工をしていた頃、「昔の型枠は杉板で、合板が出てきた時は、切らずに何度も転用し、大切に使っていた」と親方が話していた。大きな面材は、一気に建物の構成要素を作れてしまうので、手間が少なくて済むが、全体的に線の少ない真っ平らな表現の建物になってしまう。

 

今、彦成地区にお住まいの方から建て替えの相談を受けている。中川沿いの古くからある静かな住宅街で、お寺や農家の家がいくつか建っている。今住んでいる住宅も入母屋の立派な住宅であるが、東日本大震災のときにかなり揺れ、心配になり、建て替えを検討しているのだと。私は、周辺地域の静かな雰囲気と今建っている日本家屋の記憶を未来に向かってつなぐことを目指し、和風の建物がいいのではないかと秘かに考えている。

 

コストや建築基準のことを考慮すると、昔のような風格のある和風の建物は難しい気がする。現代的な材料や工法を使いながら、和風と呼べる表現を生み出せないかと、参考になりそうなイメージを探している最中なのである。