徹底的にコンストラクション、どこまでのコンストラクション

お店の改修工事はスピードが求められる。

お客様のために、設計と工事期間中の賃料をできるだけ抑え、早くお店の営業を始めさせてあげるためである。

 

店舗専門のデザイン会社は、2週間程度の設計と2週間程度の工事で完成させてしまうと言うから驚きである。注文住宅を作り続けてきた私からすると、かなり現場に無理をさせているのではと推測してしまう。「二度とこんな工事はしたくない」という職人の心の声が聞こえてきそうである。そのような現場は、関わる人を疲弊させる。だから、良くしようとする意欲を殺がれるので、良いものができない。

 

現場に無理をさせると、どこかにしわ寄せがくる。

それは、結果としてお客様のためにならない。

持続可能な社会というのは、突き詰めると、作り手と使い手の心の在り方なのだ。

 

私の会社の英語名はkotaro design and constructionとした。私の仕事はbuildではなくconstructionである。それは、しっかりとした図面を作成し、それをもとに精確に建物を作ることをいう。図面はお客様の要望を形にしたものであるだけでなく、工事金額の根拠でもある。だから、小さなお店の工事とはいえ、数枚の絵のような図面的なものだけで、見積書を作る工事業者は、不誠実に思えてしまう。

 

お客様と十分な打ち合わせを行い、それをもとに図面を作成し、それをもとに金額を算出をし、余計なものにお金をかけず、納得の金額で工事契約をおこなう。後は、その図面をもとに、手戻りのないスムーズな工事を行う。そして、ところどころにセルフ・ビルドを取り入れ、お客様に楽しんでいただく。

 

これは、これからも変わらない建物づくりの軸である。