施主支給を取り入れると、家づくりが少し自由に感じられます。
お客様ご自身で購入したお気に入りの商品を、建物の一部に取り入れることを、施主支給と言います。施主であるお客様が購入し、支給してくれた部材を工事に使う、という意味です。
ネット販売が身近になり、輸入商材やハンディーメイド作家の商品などを、気軽に購入できるようになりました。そういった品々を、家の一部に使えないだろうか、そんな風に想いを巡らすのは楽しいものです。
モノ作りの原理原則が分かっていれば、それを建材として新たに取り込むことは難しいことではありません。写真は、お客様のお気に入りのステンドガラス作家の作品を建具の光窓として組み込んだ事例です。それ以外にも、海外の古い陶器の照明スイッチを使ったこともあります。
ほとんどの住宅メーカーは標準仕様が決められています。建物の大きさ、雰囲気と価格、等を初期段階で確認するには都合が良いのです。しかし、設計者が標準仕様外のことに対応できないと言うのは、お客様からすると不自由に感じてしまうのではないでしょうか。
「できません」と言われてしまえば、お客様はどうすることもできません。「他の会社でやられているのを見た事がある」「雑誌の写真で使われているのを見た事がある」「なぜできないのかな」そんなモヤモヤを抱えながら打合せを進めて行かなければならない。
私は、お客様の「できない」をこうすれば出来ますよと、軽く言える存在でありたい。