完全着工について

完全着工が、お客様にとっても安心です。

 

完全着工とは、工事請負契約の段階で、設計を完了し、仕様を全て決めてから、工事を始めることです。つまり、工事前に、金額に関係する部分を全て決めてしまうことです。そんなの当然ではないか、と思われるかもしれないが、そうではないのである。たいていの会社は、予算だけ確保し、細かい設計を行わないまま、工事請負契約をしている。

 

仕様を想定し、予算だけ確保しておき、細部の設計は行わず、現場で職人さんと話し合って決めていたりする。理由は、実際の建物もなく、打合せ段階で、あれこれ仕様を決めるのは、お客様にとっても、難しいことなので、ある程度出来上がってから、現場で決めてもらうためである。

 

お客様のためと言いながら、打合せと設計を簡略化し、手間を惜しんでいるように、私には見えてしまう。

 

見積もりの精度も高くない。現場で決めた仕様が予算内に納まれば、差額は作り手側の利益になってしまう。予算オーバーを恐れて予備費を確保すれば、総額が大きくなり、お客様は予算配分の判断を誤ってしまう。どこか不誠実な感じがする。

 

だから、完全着工に備え、設計の精度を高くし、分かりやすい判断材料を用意する、この二点を打合せで心掛けている。