6月に完成した南越谷のワイン・バーを訪問した。
開口部の不具合を直すためである。
道路に面する大きなガラス窓は、コストダウンも兼ね、元々あったガラスを再利用して作った。外壁をモルタル仕上げにすると同時に、水が室内に入らないよう、板金で開口周りをぐるりと覆っている。
メーカーのアルミサッシを付けるだけなら、それほど心配ないが、薄い金属の板を折り曲げ、現場で職人が作るものなので、形状には十分配慮し設計した。
しかし、外側からシールを併用しアルミのチャンネル材で抑えているが、下枠に外勾配が付いていないため、大雨になると、隙間から水が少し染み出てくるらしい。板金で立ち上がりを作っても、ピンホールと呼ばれる入り隅部分の隙間がどうしてもできてしまう。そこが原因のようだ。
施工してあるシールを部分的にはがし、バッカーを取り除き、シールを再度充填する。外側からも、シールを充填し、隙間を完全に塞ぐ。掃除をして、椅子とテーブルを元の位置に戻し、一時間半ほどで作業は無事終了した。
久しぶりに訪れたお店は、引き渡しの頃と全く違った独特の雰囲気を生み出していた。お客様が自分で柿渋を塗った木部は、赤味を帯び、ワインのお店にふさわしい感じだ。
家具、グラス、ワインのボトルなどは、お店の工事が終わったときには、当然置かれていない。改めてお店を見てみると、それらは、お店の雰囲気を作り出す細かな装飾のようである。お客様のアイデアで、これからも少しずつ変化していくことであろう。
自分の手を離れたお店が、成長しているようで、とても幸せな気持ちになれた。