改修工事の経験と勘

倉庫の改修工事に向けて、プレカット用の図面の作成に取り掛かった。

 

小工事とはいえ、中二階を支える構造部材が多数必要になる。

材料を用意し、後は大工さんにお願いすればできるというものでもない。

コストを抑えるためにも、大工さんの工事が無駄なくスムーズに行えるように、こちらで準備をしておく必要がある。

 

改修工事は、既存の建物に合わせて作らなければならない難しさがある。

古い建物は、施工精度が良くなかったり、変形していたり、歪んでいたり、部材が痩せて少し寸法が小さくなっていたりする。

 

木材は、0.5mmサイズが合わないと、ハンマーで強くたたかないと入らない。

1.0mmサイズが合わないで、無理やり入れると、どこかで割れが発生したりする。

3.0mmずれていたら、絶対入らないから、丸ノコで再加工が必要になってくる。

そのような物である。

 

だから、図面作成の前の段階で、現地調査をきちんと行わなければならない。

 

そのあと、作り方を考慮し、図面作成に取り掛かるわけである。

その時のポイントは、あらかじめ工場で機械加工してしまうところと、既存建物に合わせ、現場で大工さんに加工してもらうところを、使い分けることである。

そのほうが、変な隙間が生まれず、すっきりした仕上がりになる。

 

自分で採寸した精度と予想したクリアランスが適切かどうかは、工事をしてみればはっきり分かる。

経験と勘の見せどころなのである。