水害に強い住宅

災害時の避難小屋

地球温暖化ガスの排出量削減が世界の課題になり、屋根に太陽光パネルを設置し、高効率な設備機器を搭載した住宅が、これからの主流になってくる。

 

それと同時に、断熱性能のグレードを上げ、気密性能のある住宅が求められる。自宅で電気を作り、エアコンの使用を最小限に抑える必要があるからだ。そのほうが、健康にも良い。

 

しかし、今回の豪雨で、そのような住宅の意外なデメリットが見つかった。

高気密住宅というのは、一方で浸水すると、壁や床の中から、水が抜けにくい住宅である。気密性能を上げるために、室内側の壁にビニールを張るため、壁面に水を貯めてしまうのだ。

どんなものにも、メリットとデメリットがある。

デメリットをできるだけ少なくする工夫が必要だ。

 

水に強い素材と言えばコンクリートである。

木材のいろんな活用事例が生まれてきているが、地面の中や、地面に近いところは、相変わらずコンクリートのままである。

 

そこで、水害に強い住宅を考えてみた。

一階がコンクリート造、二階が木造の住宅である。

 

コンクリートの建物には気密性がある。

開口周りの隙間をなくせば、かなりの気密性がある。

更に、コンクリート打ちっぱなしの室内仕上げが楽しめる。

外断熱にすれば、室内側はコンクリート打ちっぱなしにできる。

万が一、浸水しても最小限の被害で済む。

 

今、災害用の避難小屋を計画している。

 

相談された奥様のご主人が寝たきりなのだ。

そのため、日本家屋が建つ広い敷地の中に、新たに小さな二階建ての建物を建設し、災害の時に、一時的に避難するというのだ。

電気はすでに敷地内にある太陽光パネルから供給される。

 

「自分の家は自分で作る」ということは、「自分の身は自分で守る」ということだと、改めて思った。